手根管症候群とは
2022.07.16
手根管とは手掌近位中央、母指球および小指球との間のトンネルです。
そして手根管症候群とはその天井を形成し手首から遠位部に存在する屈筋支帯と呼ばれる靱帯が肥厚し
トンネル(手根管)内を走行する正中神経を持続的に絞扼・圧迫することによって発生します。
屈筋支帯近位部から靱帯へ移行する部位では手関節の屈伸運動、また厚い手根管中央部では腱鞘が膨張することで
正中神経を容易に圧迫してしまいます。
原因は不明の場合もありますが多くは手作業を繰り返す業務(レジ、パソコン打ち込み業務、清掃業や組み立て作業、クレーンやブルドーザーなどの重機操作など)の従事者や
外傷、リウマチ性屈筋腱鞘炎、長期の透析患者、糖尿病、および妊娠・産褥女性の中にもこの疾患が存在します。
一般的に45歳〜65歳の年齢層に多くみられ男女比は1:3とされ女性に多い疾患です。
主な症状としては正中神経が圧迫されると手指の手のひら側の1〜4指のしびれ感が出現し症状が進行すると長期間の圧迫により握力の低下や母指球の萎縮が認められます。
日常生活の中では箸の使用がぎこちなくなったやボタンの留め外しが困難などの不自由さを自覚します。
手掌部痛により深夜から早朝に目が覚めるnocturnal wakeが有名であり、ときに正中神経支配の手掌域を超えて上腕や肩などにしびれを自覚する症例も存在します。
治療法としては装具の装着、手根管内ステロイド注入、内服治療(消炎鎮痛剤やビタミン剤など)等があります。
上記と併用して運動療法を行う場合は手根管内の神経や腱の滑走を良くすることで改善が期待できると言われています。
そこで今回は手根管症候群に対するエクササイズの一つ
『手根管–腱グライド–』をご紹介します!
手根管–腱グライドのやり方
①第1、第2関節を曲げる
②指の付け根の関節を曲げて、第1、第2関節を伸ばします。
➂第2関節を曲げます。
④第1関節を曲げます
この各動作を5~7秒キープします。
①~④を10回行います。