ハイヒールと外反母趾の関連性
2024.06.08
外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指が内側に曲がり、親指の付け根が外側に突出する状態です。
多くの人々がハイヒールを履くことが外反母趾の原因になると考えていますが、実際の関連性については科学的な検証が必要です。
ここでは、ハイヒールの装用と外反母趾の関連性を明らかにした研究を紹介します。
研究の目的
この研究では、女性の靴の着用パターンを経時的に調査し、履物の特徴と足の痛み、特に外反母趾との関連性を調査することを目的としています。
具体的には、ハイヒールの履用が外反母趾の発症リスクにどのように影響するかを分析します。
対象と方法
対象は50〜89歳の女性(n=2,627)であり、これらの女性に対して、靴の種類やトゥボックスの広さ、かかとの高さについて調査が行われました。
- トゥボックス:靴のつま先部分の形状や広さを指します。トゥボックスが狭いと、足の指が圧迫されやすく、足の形状に影響を与える可能性があります。
- かかとの高さ:ハイヒールなどの靴のかかとの高さを指します。高いヒールは足にかかる負荷を変化させ、足の痛みや変形を引き起こすことが考えられます。
調査の詳細
調査は10年ごとに実施され、各対象者が過去によく履いていた靴の形状について尋ねられました。
さらに、過去12ヶ月間に経験した足の痛みや外反母趾の発症状況についても調査が行われました。
- データ収集方法:4つのトゥボックス(つま先の形状)と4つのかかとの高さに関する図面を用いた質問票に回答してもらいました。
- 調査対象年齢層:主に20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、50〜89歳の各年齢層で履物の形状と外反母趾の関連性を分析しました。
結果
調査の結果、以下のような傾向が明らかになりました:
- 20〜29歳の履物傾向:
- この年齢層の多くの女性が、ヒールが高く、トゥボックスが非常に狭い靴を履く傾向が見られました。
- しかし、40歳までにはこのような靴を履く女性の割合は10%以下に減少しています。
- 外反母趾の発症リスク:
- 20〜29歳の間にトゥボックスが狭い靴を履いていた女性は、30〜39歳の間に外反母趾を発症する可能性が高いことが示されました。
- 一方、トゥボックスが非常に広い靴を履いていた女性では、外反母趾の発症リスクが低いことが確認されました。
- 履物の影響:
- 若年期にトゥボックスが狭く、かかとの高い靴を履くことが、長期的に足の健康に影響を与えることが強く示唆されています。
この研究から、ハイヒールの履用が外反母趾の発症リスクを高めることが明らかになりました。
特に、20〜29歳の若年層で狭いトゥボックスの靴を履くことが、後の年齢で外反母趾を発症するリスクを増加させることが示されています。
外反母趾は、足の形状や構造を変化させ、歩行や日常生活に支障をきたすことがあります。そのため、適切な履物選びが重要であることが改めて確認されました。
以上から外反母趾にならないようにするためには以下のことを推奨します。
- 適切な靴選び:
- トゥボックスが広く、足の指を圧迫しない靴を選ぶこと。
- ヒールが低く、足にかかる負担が少ない靴を推奨する。
- 履物指導:
- 長時間ハイヒールを履くことを避けるよう指導する。
- 足に合った靴を選び、定期的に足の状態をチェックする。
- 生活習慣の改善:
- 足の筋力を保つために、定期的な運動やストレッチを行うこと。
- 適切な歩行習慣を身につけ、足の健康を維持すること。
これらの指導を通じて、外反母趾のリスクを減少させ、健康な足を保つことができると考えられます。
結論
ハイヒールの履用が外反母趾の発症に影響を与えることは科学的に示されています。
特に若年期における履物の選び方が、長期的な足の健康に重要な役割を果たすことが明らかになりました。
正しい履物選びと適切な指導を通じて、外反母趾のリスクを低減し、健康な足を維持することが求められます。
本日は足の指の筋肉を鍛えるタオルギャザーのやり方について紹介していきます。
タオルギャザーのやり方
STEP1
椅子に座り、タオルを1枚用意して床に敷いたら、その上に足を置きます。
タオルのサイズとしては、フェイスタオルくらいから始めていくといいでしょう。
フェイスタオルで物足りないと感じるようならバスタオルを使うとより負荷がアップします。
STEP2
指を使ってタオルを手繰り寄せます。
タオルを手繰り寄せれなくなったら、足を少し前に出すなどで調整しましょう。
STEP3
1枚のタオルを全部手繰り寄せるまで続けていきます。
片足ずつタオル1枚引き寄せる×5~10回、行いましょう。
筋トレだけではなく、ストレッチの意味合いもあるので、毎日行ってOKです
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