SLAP損傷とは!!
2024.11.03
SLAP損傷(上方関節唇損傷)は、肩の関節にある「関節唇」という部分が損傷する病気です。
特に、野球の投球やテニスのサーブなど、腕を頭の上に振り上げる動作(オーバーヘッドスポーツ)を繰り返すことで、肩にある上腕二頭筋長頭腱に負担がかかり、
これが関節唇の付着部分を剥がしてしまうことが原因です。SLAP損傷は、肩の痛みや動かしにくさを引き起こすため、適切な治療とリハビリが必要です。
SLAP損傷のリハビリとエクササイズ
リハビリの目的は、肩の安定性を回復させ、肩周りの筋肉を強化することで、再発を防ぐことです。
このため、SLAP損傷のリハビリテーションでは、様々なエクササイズが推奨されています。
今回紹介する研究では、リハビリに役立つエクササイズが16種類取り上げられ、それぞれのエクササイズがどれくらい上腕二頭筋に負担をかけるのかを調査しました。
調査されたエクササイズは、次の3つのタイプに分類されています。
- 肩甲骨を鍛えるエクササイズ
- これらのエクササイズは、肩甲骨周りの筋肉を強化し、肩の安定性を高めることを目的としています。
- ローテーターカフ(肩の回旋筋)を鍛えるエクササイズ
- 肩を内側や外側に回す動作(内旋・外旋)を行い、肩の回旋筋群を鍛えるエクササイズです。
- 上腕二頭筋をターゲットにしたエクササイズ
- 肘の曲げ伸ばしや腕の動きを使って、直接上腕二頭筋に働きかけるエクササイズです。
調査の結果、上腕二頭筋への負荷が少ないエクササイズとして以下のものが挙げられました:
- 肩関節90度外転+内旋: 肩を90度まで上げてから内側に回す動作です。 上腕二頭筋への負担が少なく、肩周りを動かす練習になります。
- 脊椎伸展運動: 背筋を伸ばす運動で、上半身の姿勢を整え、肩にかかる負担を軽減します。
- 膝立ちの腕立て伏せ: 通常の腕立て伏せよりも負担が軽く、上腕二頭筋への負荷が抑えられるため、初心者でも取り組みやすいエクササイズです。
また、僧帽筋を鍛えるエクササイズ(肩や首の後ろにある大きな筋肉)は、前鋸筋をターゲットにしたエクササイズと比べて、
上腕二頭筋への負担が少ないという結果が得られました。
まとめ
この研究から、SLAP損傷のリハビリにおいて、上腕二頭筋への負担を抑えながら肩を鍛えるためのエクササイズが示されました。
肩の安定性を高めるために、直接上腕二頭筋を使わず、周りの筋肉を鍛えることが効果的だということがわかります。
特に、肩甲骨やローテーターカフを強化するエクササイズを通して、肩の回復を目指すことが重要です。
今回は上腕二頭筋への負荷が少ないエクササイズとして膝立ちの腕立て伏せについて紹介します。
膝立ちの腕立て伏せのやり方
STEP1.
床に膝をつけて、腕立て伏せの姿勢をとります。
両手は肩幅より少し広めに開き、手のひらは床にしっかりとつけます。
つま先は床から離れた状態にし、膝から上半身までが一直線になるように姿勢を整えましょう。
STEP2.
ゆっくりと肘を曲げながら、胸を床に近づけていきます。
このとき、息を吸いながら体を下げていき、胸が床に軽く触れる手前まで下げたら止めます。
ひじが体の横に広がりすぎないように注意しましょう(約45度の角度が理想的)。
STEP3.
床を押すようにして、腕を伸ばしながら元の位置に戻ります。
このとき、息を吐きながら体を持ち上げていきます。
体がまっすぐのまま保たれるように、お腹の力をキープしましょう。
これを10〜15回、1セットとして、3セット行います。
最初は無理のない回数から始めて、慣れてきたら徐々に回数やセット数を増やすようにしましょう。
こちらもご覧ください!!
SLAP損傷の治療は秦野市ふれあい整骨院までご相談下さい!!