骨粗鬆症患者の転倒予防にはどのような運動が有効なのか?
2024.08.25
骨粗鬆症患者にとって、転倒リスクを減らすことは非常に重要です。
転倒すると骨折しやすいため、日常生活の質に大きな影響を与えるからです。
今回の研究では、転倒リスクを下げるための効果的な方法として、バランス訓練と身体活動を組み合わせた介入の有効性を調べました。
研究の内容
対象は、66歳から87歳までの骨粗鬆症患者96名。この患者たちは以下の3つのグループに分けられました:
- バランス訓練+身体活動を行ったグループ
- バランス訓練のみを行ったグループ
- 何も行わない非介入グループ
介入は週3回、12週間にわたり行われました。バランス訓練は、単一の動作(例えば片脚立ち)や、
複数の動作を同時に行う(例えば歩きながら別のことを考える)複合的なトレーニングが含まれています。
何を測定したのか
研究では、次の4つの指標を使って転倒リスクの変化を測定しました:
- 転倒への恐怖感:転倒の恐怖心を評価するFES(Falls Efficacy Scale)というスケールを使用し、日常生活における恐怖心を10段階で評価。
- バランス能力:片脚でどれくらい立っていられるか、または8の字を描くように歩く速さを測定(F8WT)。
- 歩行能力:10メートルの距離を、最適な速度、最速の速度、複合タスクをしながらの速度で測定。
- 身体機能:日常生活でどれくらい身体が動かせるかを、LLFDIという質問票を使って評価。
結果
- バランス訓練+身体活動を行ったグループでは、9ヶ月後には転倒への恐怖感やバランス、歩行能力、身体機能が大きく改善し、転倒リスクが減少しました。
- バランス訓練のみを行ったグループや非介入グループでは、これらの指標に大きな改善は見られませんでした。
- さらに15ヶ月後の追跡調査では、バランス訓練+身体活動を行ったグループの転倒リスクはさらに低下していましたが、他のグループは変化ありませんでした。
結論
この研究結果から、バランス訓練に加えて身体活動を取り入れることで、骨粗鬆症患者の転倒リスクを大幅に低下させることができることが分かります。
これは、患者が転倒を避け、日常生活の質を向上させるために非常に重要な介入法です。
骨粗鬆症患者において、バランス訓練だけでなく身体活動も積極的に取り入れることで、転倒リスクの低下がより効果的に達成でき、
患者のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を向上させる上で重要な知見です。
骨粗鬆症患者の転倒予防には、バランス訓練と身体活動を組み合わせた方法が非常に有効です。
もしお困りのことがあれば秦野市ふれあい整骨院までご相談下さい。
こちらもご覧ください!!
高齢者の転倒~原因や予防・対策、関連する病気について – きょうの健康 – NHK