筋力アップに運動頻度は関係しているの?
2024.07.07
筋力トレーニングのメニューを決める際に、頻度と運動負荷量のどちらが重要か、またそのバランスをどう取るべきかについて、
メタアナリシスを用いた研究結果をご紹介します。
この研究は、健常者を対象に筋力トレーニングの効果を「運動負荷量」を同程度に保った上で「頻度」によって検証したものです。
筋力トレーニングの基礎
筋力トレーニングの効果は、以下の要素によって決定されます:
- 運動負荷量(Volume):
- 強度(Intensity):持ち上げる重量や抵抗のレベル。
- 回数(Repetitions):1セットで行う運動の回数。
- セット数(Sets):特定の回数の運動を何回行うか。
- 頻度(Frequency):
- 週に行うトレーニングの回数。
メタアナリシスによる研究概要
対象と条件
対象論文の条件は次の通りです:
- 対象:18~75歳の健常者。
- トレーニング期間:最低でも4週間以上。
- 対象筋群:三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、ハムストリングス。
- 運動負荷量:同程度の強度や運動回数。
- 試験:ランダム化または準ランダム化試験。
アウトカム
筋力の変化量(介入前後での筋力の変化)を主要な評価項目としました。
結果
研究結果により、次のことが明らかになりました:
- 低頻度グループ:週に1回のトレーニング。
- 中頻度グループ:週に2回のトレーニング。
- 高頻度グループ:週に3回以上のトレーニング。
これらのグループ間で筋力の変化量に有意な差は認められませんでした 。
すなわち、運動負荷量が同じであれば、週に何回トレーニングを行うかにかかわらず、筋力の増加には大きな違いが見られなかったのです。
解釈とメニュー設計のポイント
この結果から、筋力アップには頻度だけでなく、運動負荷量も重要であることが示唆されます。以下にメニューを決める際のポイントをまとめます:
- 運動負荷量を確保する:
- 運動負荷量が同じであれば、週に何回トレーニングを行うかは効果に大きな影響を与えないことが示されています。 したがって、強度、回数、セット数を調整して適切な運動負荷量を維持することが重要です。
- 個人のライフスタイルに合わせた頻度:
- 高頻度でトレーニングが可能な人はその頻度を維持し、時間が取れない人は低頻度で高強度のトレーニングを行うことが有効です。 重要なのは、総合的な運動負荷量を確保することです。
- 休息の重要性:
- 筋肉の成長には休息が必要です。頻度を高める場合は、十分な回復期間を設け、オーバートレーニングを避けるようにします。
- 全身のバランスを考慮:
- 特定の筋群だけでなく、全身をバランスよく鍛えることが健康的な体づくりに寄与します。
- トレーニングの多様性:
- 運動負荷量と頻度を一定に保ちつつ、トレーニング方法や種目を変えることで、飽きずに継続しやすくなります。
実践例:ハイレップスクワット
方法
- スタートポジション:足を肩幅に広げ、両手を前に伸ばします。
- 動作:
- ゆっくりと膝を曲げてスクワットダウン。膝がつま先より前に出ないように注意します。
- できるだけ深く下げ、太ももが床と平行になるまで曲げます。
- ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 回数とセット:
- 10~15回を1セットとし、3セット行います。
効果
- ハイレップスクワットは、筋力増強とともに筋持久力も高めます。 負荷を増やすには、ダンベルやバーベルを使うと効果的です。
まとめ
筋力トレーニングの効果を最大化するには、運動負荷量と頻度のバランスが重要です。
今回のメタアナリシスから、運動負荷量が一定であれば頻度による筋力増強効果の差は小さいことが示されました。
このため、個々のライフスタイルや目的に応じてトレーニングプランを柔軟に設計することが重要です。
筋力アップを目指す際は、運動負荷量をしっかりと確保しつつ、自分に合った頻度でトレーニングを継続することを心がけましょう。
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