スポーツ障害で多い足関節捻挫とは
2024.06.30
足関節内反捻挫は非常に一般的なスポーツ障害の一つであり、日常生活でもよく見られる怪我です。
このタイプの捻挫は、足関節が内側に向かって曲がる(内反)ことで生じ、主に足関節の外側の靭帯や組織が損傷を受けます。
以下に、足関節内反捻挫について、受傷メカニズム、損傷する組織、症状、治療とリハビリについて詳しく説明します。
足関節内反捻挫のメカニズム
足関節内反捻挫は、主に次の状況で発生します:
- 足関節底屈位(つま先が下がった状態):この位置では、足関節が安定しておらず、内反に対して脆弱です。
- 足関節背屈位(つま先が上がった状態):この位置でも内反が強制されると、靭帯が過度に伸展されて損傷します。
内反および内旋が強制されることによって、足関節外側の靭帯や筋腱が損傷を受けやすくなります。
損傷する組織
足関節内反捻挫で最も損傷を受けやすい外側の組織には次のものがあります:
- 前距腓靭帯 (ATFL):足関節外側にある最も一般的に損傷される靭帯で、底屈位での内反時に特に脆弱です。
- 踵腓靭帯 (CFL):足関節外側にあり、足関節の安定性を保つ重要な靭帯です。内反と内旋により損傷されます。
- 長・短腓骨筋腱:これらの腱は足首を外反する役割を持ち、内反の力が加わると損傷される可能性があります。
- 二分靭帯:足の外側に位置し、複合的な捻挫で損傷されることがあります。
一方、内側の組織が損傷されることもあり、これは主に過度な内反が内側の靭帯や筋腱に影響を与えた場合です。代表的なものには次のものがあります:
- 三角靭帯:内側の主要な靭帯で、非常に強力ですが、過度な内反で損傷を受けることがあります。
- 後脛骨筋腱:足のアーチを支える重要な筋腱で、捻挫時に損傷することがあります。
また、距骨の骨軟骨損傷や距骨下関節の靭帯損傷など、複数の組織が損傷を受けることがあり、足関節内反捻挫の病態をさらに複雑にしています。
足関節内反捻挫の症状
足関節内反捻挫の症状は以下のようなものがあります:
- 腫脹:損傷部位に炎症が起こり、足首が腫れます。
- 熱感:炎症により、損傷部位が温かく感じられます。
- 疼痛:損傷による痛みが生じ、特に動かしたり、体重をかけると痛みが増します。
- 関節可動域制限:痛みや腫れにより、足首の動きが制限されます。
- 筋力・筋機能低下:痛みと腫れが続くと、筋力が低下し、足首の機能が損なわれます。
- バランス機能低下:靭帯や関節包にある求心性神経線維の損傷により、バランス感覚が低下します。
- 基本動作異常:歩行や立ち上がりなどの動作に支障をきたします。
治療とリハビリ
初期治療
足関節内反捻挫の初期治療には、RICE処置(Rest、Ice、Compression、Elevation)が一般的に行われます:
- Rest(安静):足首を安静に保ち、損傷の悪化を防ぎます。
- Ice(冷却):氷で冷やして炎症を抑え、腫れと痛みを軽減します。
- Compression(圧迫):弾性包帯などで圧迫し、腫れを抑えます。
- Elevation(挙上):足を心臓より高く上げて腫れを軽減します。
リハビリ
足関節内反捻挫のリハビリテーションは、段階的に行います。以下の手法を用いて、筋力やバランス機能を回復させます:
- バランストレーニング:
- 片足立ち:平衡感覚を鍛え、靭帯の感覚受容器を刺激します。
- バランスボード:不安定な表面でのトレーニングを通じて、バランス感覚を強化します。
- 筋力トレーニング:
- 足首のエクササイズ:チューブを使って足首を内外に動かす運動などで筋力を強化します。
- ふくらはぎのストレッチと強化:ふくらはぎの筋肉を柔軟にし、強化します。
- 関節可動域の回復:
- 足首の回旋運動:足首をさまざまな方向に動かし、可動域を広げます。
- 背屈と底屈のエクササイズ:足首の上下運動を行い、柔軟性を高めます。
- 感覚運動訓練:
- 足裏の感覚トレーニング:さまざまな表面を歩くことで、足裏の感覚を改善します。
- 神経系のリハビリ:
- 神経の滑走運動:神経をストレッチし、滑らかに動かす運動を行います。
まとめ
足関節内反捻挫は、適切な初期治療と段階的なリハビリテーションを行うことで、早期に回復することが可能です。
重要なのは、損傷した組織を保護しながら、筋力やバランス機能を回復させることです。
これにより、再発リスクを低減し、日常生活への早期復帰を目指すことができます。
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